ROADSTER GARAGE NEWS

龍妃ファイナル 改良作業報告 No,27 
roadster AKI スピードトライアル の 作業報告

今回は 先日 公表させていただきました 1966年10月1日〜4日 世界新記録を樹立されました トヨタ2000GT スピードトライアル挑戦車両の 祝 50周年記念車両製作の詳細の続きを ご報告させていただこうと思います。

この スピードトライアル車両は 量産車をベースに製作された車両ではなく 試作一号車をベースに製作されたらしく 市販車とは 元々のボディーライン形状が異なっていたようです。

また 試作一号車は テストドライブの後 レーシング仕様として使用され 火災に合い 放置されていたそうですが スピードトライアル挑戦が決定時 使用可能な ベース車両が無かったので 火災に合った 試作一号車を復活させ スピードトライアル挑戦車両を  製作されたとお聞きしております。
 
よって 実車は かなり ボディーも 凹みなども多々あり けして 綺麗な車では無かったと聞いておりますが 再生に当たり さすがに 凹みまで再現する事は 粋ではないと思い 綺麗な車両製作を目指させていただく事にしました。

スピードトライアル車両の特徴の一つとして リトラヘッドは廃止され リトラヘッドカバーの部分は 左右 異なる形状のパネルが リベットで固定され 本来のフォグランプが ヘッドライトとして使用され 別途 グリル部分に マーシャル製のフォグランプが装着されております。

ヘッドライトカバーが 何故 左右形状が違うのか 不明でしたが 当時のドライバーの方からのお話で 右側は レーシング仕様として 使用の際 ノーマル形状のままだったそうですが 左ヘッド部分は エンジンルームに 冷却のための空気導入を促進する為 エアースクープが装着されていたらしく その穴の形状が ノーマルの三角形状ではなかったので その穴を すべて隠すために 左側のみ ヘッドカバーが 部分的に大きくなっていたそうです。

もちろん 今回 再現させていただくにあたり このヘッドライト部分も 忠実に再現させていただきたいと思いましたが 日本の法律では ヘッドライトは その中心が 地上高 55cm以上が義務付けされており それ以下の場合 ヘッドライトとして 認めていただけない為 オリジナルのトヨタ2000GTも ヘッドライトとして使用可能な形状のフォグランプも ヘッドではなく 別途 リトラヘッドライトが装着されており そのままの再現では ナンバー取得が不可能となります。

この難題を克復するには 本来 リベットで固定したパネル形状を再現しつつ そのままの形状で リトラヘッドとして 開閉が可能にする必要がございます。

元々 トヨタ2000GTのヘッドライト部分の形状は 平らではなく 前方 及び サイドに向かって アール型の形状をしていることから リトラヘッドとして 開閉させることは 非常に困難な形状ですが そのうえ 固定するための より大きなパネルが付いたままでの開閉は 大変な作業となり 試行錯誤の上 やっと 成功させていただく事が出来ております。

通常時は 見た目は あくまでも リベットで固定されたヘッド形状ですが いざ ヘッド点灯時には リトラヘッドが作動して ヘッドが飛び出てくるのは 画像は 下作りの状態ですので 今一 感動が ございませんが 塗装完成後 すべてが完成した際は 結構 感動していただけるのではないかと期待しておりますので 楽しみにしていただけると幸いです。

また 左右ドアーパネルも 新規製作の為 サッシは もちろん すべてのパーツを 使用可能な状況に装備することも 大変な作業となりました。

製作してみなければ 分かっていただけないと思いますが 実は ドアーサッシの製作も コの字型の金具を 車体形状に合う様に アール形状に曲げることも 大変な加工でして このような加工 一つ一つが 加工する方法から 試行錯誤しながらの作業となり 苦労いたしました。

そのうえ もしもの事故などのことも 考慮しなければなりませんので 当時は無かった センターの 安全用の角材も装備 万全を期しておりますが なにぶん 非常に狭いドアーインナーであるため すべてのパーツを 収納させることも 非常に困難な作業となりました。

よく 聞かれることですし お客さまが 気にされる個所の一つとして ドアー 開閉の際の音 及び 重量感も 大切な製作ポイントでして 安全面確保もございますので 十分な 肉厚のFRPパネル製作はもちろん 特に ドアーアウターパネルは 高度確保の為 FRP繊維を4積層の上 3積層と4積層の間に 補強パットも装備させていただき 高級感のある しっかりしたドアーを完成させていただけました。

テールランプも 市販車は 丸4灯ですが この車両は 赤テールが 左右に 一つ ですし 形状が 若干違いますので 龍妃ファイナル 及び roadster AKI で 使用しているテールは 使用不可能ですので 他車の よく似たテールを捜し 簡単に固定が可能なように 使用テールの 固定部分を改良の上 今回の車体に 合体させ あたかも純正であるかのように使用可能に改造しました。

室内は オリジナル同様の仕様にしたいのですが レーシング車の為 軽量化の問題もあり 何も装着されていないのですが それでは 実際に使用していただく際 いろいろ 熱 や 走行時の音 など 不具合も出てまいりますので あくまでも スパルタンさを 残しつつ インナートリム や フロアーパット は 装着させていただく事にしましたので 今後の整備などの場合 各 インナートリムの脱着が可能なように 取り付けステーも製作させていただき 違和感のない 内装を製作いたしました。

今回の改良で 大変だった作業内容の一つは 龍妃ファイナルは問題ございませんが roadster AKI の場合 オリジナルサイズのボディーを 纏っておりますから ワイパーが装着される カウルアッパーの部分が エンジンルームではなく 本来 インパネが装着される室内の場所に存在することになります。

このままでは ワイパーアーム装着部 などから 雨水などが 確実に室内に入ってしまいます。

また 今回の車両は この部分の形状が違い 脱着可能なパネル形状になっておりますし 特に 十分な加工が不可欠となるわけです。

雨漏れ対策として 狭いスペースですが カウルアッパー裏面に BOX状の収納スペースを製作させていただき なおかつ 左右にアール形状にして完成させることで 雨の受け皿にしたうえで 侵入した雨などが フロントピラーのインナーを通じて 外部に排出できるように加工しましたが 狭い空間に製作しますので 非常に困難な作業となりました。

このような 細かい困難な改良の数々でしたが 苦労いたしましたが 何とか 改善でき 予定通りの改良が すべて完成できましたので 最終作業の上 無時 全塗装に出させていただけることが出来ております。

10月1日の 50年に一回の 素晴らしい記念日に間に合わせるため スタッフ一同も 頑張っていただけましたが 塗装していただける 業者様も いつもながら ご無理を お願いしているにもかかわらず 間に合わせるという気持ちを共有していただけ 頑張ってただけることに 本当に感謝いたしますし 搬出の際なども 10号車の森様など 色々な皆様も ご来店いただけ 嬉しい限りですし 応援いただけている 皆様のご期待もいただけ 本当にありがたい限りです。

スピードトライアル挑戦車両に続き 次は 10号車 森様 ご依頼の roadster AKI ボンドカーの製作に入らせていただきますので 今回同様 オリジナルに 忠実に再現できるように スタッフ一丸となって 製作させていただく所存ですから こちらも 是非 ご期待いただければと思っております


簡単な作業動画もアップさせていただきました トライアルの リトラヘッド開閉状況など ご確認いただければと思っております。

スピードトライアル レプリカ 作業報告動画

https://youtu.be/SpUZtYrT22E

1966年 トヨタ2000GT スピードトライアル挑戦記録動画

https://youtu.be/3gdGpnIRwy4


是非 50周年記念車両 roadster AKI スピードトライアル車両を 自信をもって 完成後 ご紹介させていただきますので ご期待いただければ幸いです!


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