ROADSTER GARAGE ロードスターガレージ

ミウラ・イオタ・2000GT スーパーカーレプリカのロードスターガレージ

製作ブログ

蘇る夢の軌跡

龍妃ファイナル フロントマスク改良作業報告をさせていただきます。

各所で竜巻やゲリラ豪雨などが発生し 大変な天候状態ですが 皆様は被害など出ていないでしょうか?

蒲郡は大したことは無いのですが 本日は 愛知県では 名古屋方面を中心に電車などの交通機関も停止するほど 豪雨がひどく 大変な状況のようです。

ほんとに 最近の天候はおかしいというか 昔とは 全然違う環境になったことを実感させられますよね。

今週はフロントマスクの製作を中心に作業をしておりますが 同時進行で トライアルボディーのテールランプ装着部の加工も行っております。

トライアルの場合 ノーマル車両と違い テールランプは赤テールのみしか装着されませんし テールリムの装着もありません。

よって ホワイトテール装着部分を埋めなければなりませんので ウレタンボードを使用して穴埋めを行い 表面加工を行ったうえでFRP樹脂を張って強化し 最終形状はFRPパテ盛りで成型する予定です。

そのため 完成後 内部から ウレタンボードを撤去できるようにする為と テールランプ装着が可能にする為 オリジナルのテール装着部分を切断しましたので 今回の加工は このまま使用できるように製作しています。

現在 製作しているのは ボディー自体はトライアル車で フロントマスクはノーマルボディー用ですが その製作方法は まるで違う製作方法です。

トライアルボディーの場合 このまま実車として製作するため オーバーフェンダーなどはウレタンとパテ盛りで あくまでも試作品を製作して それからメス型を製作 メス型からオーバーフェンダーを製作して それをボディーに装着し完成させますが フロントマスクは 全面加工が必要で 各部の加工が激しいですし あくまでも型取りのためのマスターモデルと考えておりますので このフロントマスクを実車装着する事は 一切 考えておりませんから 製作方法が異なる訳です。

なぜなら どうしても 全面加工のため パテ盛りも非常に多くなることは容易に判断がつきますし かなりの重量アップになってしまいますし 実車装着は無理な状態となりますから 強度等は除外視し あくまでも表面形状製作を優先する製作方法で製作することにいたしました。

先回 フェンダーのワイド化が完成しましたので 今週はアンダーパネルの加工を行っております。

今までのアンダーパネルは 丸みが少なく 正面から見た際にアンダーパネルが見えませんでしたが オリジナルは ナンバーの奥にアンダーパネルがしっかり見えますし もっと丸みがございますので トライアル車両製作の際に使用したアンダーパネルの型からFRP成型でアンダーパネルを新規製作して 装着してみることにしました。

もともと トライアル車両はタイヤハウスをワイド化してございましたので 装着してみたところ 今回のワイド化のサイズとピッタイサイズでしたので 容易に装着が可能となりました。

まずは 仮取り付けを行い その後 FRP積層でボディーと一体させ フロントコーナー部分をFRPパテ盛りで成型しておりますが 今回は オリジナルのフロントバンパーを入手しましたので そのバンパーのカーブに合わせて丸みを成型していくつもりですが 想像以上に丸みがキツク オリジナルは かなり丸いのだということを 改めて知ることになりました。

4回にわたるパテ盛りが必要なほど 想像以上に丸いカーブでしたが 何とか ピッタリ合うカーブまで成型することができました。

現在の状態だと マスクを見る限り 丸過ぎの様に思いますが この形状がオリジナルのようですし 実際にバンパーを装着した姿は オリジナルそのものの顔となりました。

また 同時進行で フロントマスクサイドのバッテリーBOXの蓋の形状も 上部のコーナー部分が もっと丸みがあるので ここも形状変更を行っております。

残るは フードサイドパネルの形状変更とワイパーの変更ですが 今回は 一旦行わず 後に加工させていただこうと思います。

全体的に加工した結果 すべてが自然なカーブになり 全体が落ち着いた良い感じに仕上がってまいりました。

パテ仕上げの状態で イメージが すでに全然違っていますので 塗装して完成した際の違いは明白であり オリジナルに近い 落ち着いた やさしくて美しい 良い雰囲気に仕上がったと思われます。

予定通り 今週中にフロントマスクは完成できそうですので 完成後 来週からは 一旦 ノーマルのフロントマスクを 車体から取り外し トライアルのフロントマスク製作に入る予定です。

また 明日は リヤークォーターサイドに付く リフレクター(反射板)のメッキパーツを加工予定です。 今回 このパーツのオリジナルを入手できましたので 今までよりも若干サイズが大きい様ですので オリジナルサイズに変更させていただく予定です。

各部のパーツ入手により オリジナルそのものの形状となりますので その面からも 今回の加工により オリジナルに近い形状へすべてが変更になっていきますので 完成の際は かなりの変貌を ご期待いただけると共に 完成度が上がることは確実でして 本当の意味でファイナルボディーとなりますので ご期待いただきたいと思います。

今後の予定として 次回は ルーフパネル及び バックドアーパネル加工を行い 最終で クォーター三角窓部の変更を行えば 外装は完成となりますので その後 インナートリムの製作に入らせていただこうと思っております。

本日までの フロントマスク加工作業動画です 是非 ご覧ください。

http://youtu.be/6z1S9te9GJ0



PS

今週 ご来店いただきましたお客さんのお父さんが なんと トライアル車のリヤータイヤハウスをレース用に大きくカットし オーバーフェンダー化された方だそうです。

トヨタの本拠地であり 実際に製作された静岡の磐田市にも近い立地条件の為もございますが 当時 製作に関わった方も お元気な方が多く ちょくちょく 製作に関わったお客様がご来店いただけます。

以前にも フォグランプのリムを鈑金で手作業で製作されていた方からお話をお聞きする事ができ 全て手作業でコツコツ製作され ボディー形状にしたそうですが メッキが完成してくるとカーブが変形してしまい 組みつけの際に カーブが合わないと連絡が来るので 現場に行って 一台一台修正されていたとおっしゃってみえました。

そして 皆さんが 共通して おっしゃることは 製造が 本当に たいへんな車両だったそうで メーカーとしても 販売すればするほど損益が出たそうですし 製作にも無駄も多く やり直しの繰り返しで現場はパニック状態だったそうですし ほとんど休みが無く製造するような過酷な状況だったそうで 実際には 関わった方からすれば 誰も得をしない たいへんな車だったそうで 我々の製作の苦労も ご理解いただけることが多い様です。

だからこそ 希少性もアリ ハンドメイドの為 同じ固体であっても 現行車のように パーツ交換の際も 容易にピッタリ合う様に交換できるような車ではなく 一台一台が 若干異なる車であり 現状維持するには オーナー様の苦労は計り知れない車でしょうし 本当に 当時 よく このような車を 損得無しでメーカー様が製作されたものだと感心するばかりです。

現在では どんどん高額化して行っている状況ですが 製作者の立場からすれば 現在の価格でさえ 安いと言っても言い過ぎでは無い様に思いますし 今 同じ方法で製作したとしたら 国内製作なら天文学的な価格になるように思われますし たぶん 今後 二度と このような車は製作されないでしょう。

ならば 後世に引き継ぐ為に オリジナルを保存する事とは別に 車として実際に乗って楽しみながら後世にデザインだけでも継承できるように 可能な限り オリジナルに近い車両製作をしていきたいと思うばかりです。