ROADSTER GARAGE ロードスターガレージ

ミウラ・イオタ・2000GT スーパーカーレプリカのロードスターガレージ

製作ブログ

蘇る夢の軌跡

悔いの無い 人生

5月4日 大学時代からの一番の親友の石川 宏くんの七回忌の法要が行われます。

早いもので もう七回忌なんですね。

まだ 49歳の若さでした。

亡くなったのは 金曜日でしたが その前の週の土曜日に 私のところに尋ねてきて 丁度 roadster HIROSHI が完成し 初の取材が決まった頃でしたが 以前より 外装はTOYOTA2000GTでも 運転手は ドライブ中 インパネしか見れないから インパネまで そのものにしなければ 意味が無いと言っておりました。

その日も 帰り際に 取材までにインパネ作れよ! と言って帰ったのが 最後の言葉で 金曜日の朝 奥さんが起こしに行ったときは すでに亡くなっておりました。

彼の遺言と思い 急遽 インパネを作成してみると 言ったとおり 完成度も上がり 見違えるほど 良い車両となったのです。

取材いただいた際 車の名前は? と聞かれ 本当は ボンドカーのモデルカーであり 映画の中で運転していたのは AKI役の若林映子さんだったため roadster AKI と命名しておりましたが 急遽 石川君の名をもらい roadster HIROSHI と命名したのです。

彼と私の人生論は 愛知では 友達のことを 連れ合いの意味で 「連れ」と呼びますが 「連れの連れは また連れ」が心情でして 友達が人生において 一番の宝である というものでした。

けして 人を裏切らない! 人に切られても 人は切らない! をモットーにしてまいりました。

しかし 人生なんて 儚いもので いつ 死が訪れるか わからないものだと痛感いたしました。

人間は この世に誕生した以上 いつか 死を迎えるのでしょうが それが 何時なのか 誰も知ることは出来ません。

毎日毎日 平々凡々と過ぎていくようですが その積み重ねの上に 終着点である死が訪れます。

ならば 悔いの無い人生を 石川の分も 送ろうと決めました。

数年前 マルクスの「幸福論」にある 「悲観主義は気分のものであり 楽観主義は意志のものである」 を知り 同感し 今は わたくしの人生哲学となりました。

もともと 今の日本人の死因は 癌などというよりも ストレスにより 無意識に 自分自身の身体を蝕み その結果 各種の病気を引き起こし 死に至っているのではないでしょうか?

私の嫁の実家のお寺様より お聞きしたお話を 時折 思い出しますが あの世とは 天国しかなく 地獄とは 今 生きている世界であり いろいろな悩みや苦しみの試練を乗り越え生きていくことが 地獄であり人生である その先に 全てから開放される 天国が存在するという お話でした。

その証拠には 痴呆症などの病気は 大変な病気ですが ご本人は ストレスから解放されるため 身体は 逆に元気になり 老人でさえも 遠方まで徘徊してしまう体力があるのだと思われます。

それに対し うつ病などの場合 考えても 解決不可能な問題が 数多くあることを知りつつ 考えすぎ 自ずから どんどん 悪い方向へ考えてしまい 精神は もちろん 身体さえも蝕んで 病になったり 最悪の場合 逃避行として 自殺に至ることもあると思われます。

残念ながら わたくしは そのような悲観主義者では ないらしく 楽観主義者のようですので その楽観主義を演じるには 強い意志を自分自身で持たなくては 自分自身が成り立たないようです。

もちろん どうしようもない不安な状況になることも多いのですが そこは 考えようだと思ってしまいます。

たとえば 「震災等で 水が無く 唯一 コップに水が半分入っている」 場合 悲観主義者の方の考え方は 「コップに水が半分しかない!」という 不安前提の考え方でしょうが 楽観主義者の考えは 「コップに水が半分も入っている!」となるでしょう。

このような 場合 現実的には コップに半分水が入っている事実は変わらないのです。

ただ その状況を どう 捉えるかの 違いのみです 現実は変わらないのですから。

ならば 半分しかないと思うと 取り合いの争いも起こるかもしれませんし 不安で 仕方ないでしょう しかし 半分も残っていると思えば 残っている水で 可能な限り 頑張って そのうちに 解決策が見つかるかもしれないと思うほうが 希望もあり 精神的に かなり楽ではないでしょうか?

私は 後者の考えを前提に 死ぬ間際になって まだ やりたいことがあったと思う気持ちは どんな状態になったとしても あると思いますが 少しでも 同じ 死を迎える時に やりたいことは もっとあったが でも 今まで やりたいことは 自分なりに 充分 やってきたから 納得いく人生だったと思いたいと思って日々を過ごしたいと思っています。

なかなか この年になって 人生の目標を見つけることは難しいですが 幸運にも 今回のTOYOTA2000GTのリアルモデルカーを製作することになり 数多くの皆様の ご協力も得られ とても良き仲間にも出会えることが出来 ご協力いただけるお客様にも恵まれ ほんとうに 感謝の気持ちでいっぱいであり 毎日が 肉体的にも 金銭的にも たいへんですが 平々凡々な日々ではなく 生きてるという実感を感じられる毎日を過ごさせていただいておりますし 自分の短い人生の中で 自慢できる 最高の毎日だと思っております。

現在 スタッフの一員として頑張っている者も 数年前までは うつ病にかかり 自宅に2年間 引きこもりをしておりましたが このプロジェクトに関わり もともと 旧車大好きだったこともあり 現在は うそのように元気になり うつ病であったことを 自分でも忘れている状況であり これも TOYOTA2000GTの魅力であり 今回のプロジェクトのおかげと思っております。

本当に 考え方の違いで 人生が素晴らしいものになると 実感しますし 今 やらなければ やれないことが たくさんあり 後悔しないためにも まずは 実行するのみ と考えます。

今 幸せな毎日を送らせていただくことが出来 皆様に 本当に感謝すると共に もっと 自分の人生を楽しみたいと思っております。