ROADSTER GARAGE ロードスターガレージ

ミウラ・イオタ・2000GT スーパーカーレプリカのロードスターガレージ

製作ブログ

蘇る夢の軌跡

龍妃ファイナル ドアー製作過程報告 その2

本日は 新たに進化する 龍妃ファイナルのため 新規製作しております ドアーの進行報告の続きを ご報告させていただこうと思います。

今回は ドアーインナーパネルに ドアーを開ける際のドアーオープナーを装着いたしました。

トヨタ2000GTの場合 現行車のように レバーを引くタイプではなく ハンドルを半時計方向へ回すことで開けるタイプですので ユーノスロードスターのパーツは使用できません。

よって 新品で入手可能なパーツとして 三菱 ミニキャブのリヤースライドドアーのオープナーを採用することにいたしました。

装着するには 2000GTと同じ場所で装着したいと思い 内張りに水平に装着できるようにステーを製作して 同じ場所に装着しています。

また 先回 補強させていただいたドアーのフロント上部は ユーノスのドアーをカットしたままですので アウターとの間が存在していない状態ですし この部分は フロントピラーと干渉しますので フロントピラーと干渉しない様に また そこには 雨漏れ防止のためのウェザーストリップを装着するため ドアーを閉めた際に ウェザーストリップを若干押して雨が漏れない様になる 一定の隙間(クリアランス)を確保するように クリアランスを確認しながら 鉄板でインナーを製作することにいたしました。

製作にあたっては 自動車の場合 鉄板は 鋼板を使用しておりますが 通常の鋼板では錆びてしまう危険性もあるため 錆びにくくするため 亜鉛が混入されている亜鉛鋼板を使用して製作しておりますので 錆びる心配も無いと思います。

この亜鉛鋼板という鉄板は優れものでして 昔の車は 20年も経過すると 下周りなどが腐っていたのを覚えていらっしゃる方も多いと思いますが 現在の車は 腐っていないと思いませんか?

そうなんです これは 実は 亜鉛のおかげなんです 現在の車両は 溶接で装着されているパーツ(たとえば骨格やロッカーパネル・クォーターパネルなど)は 鋼板自体の中に亜鉛を混入した亜鉛鋼板で製作されており 非常に腐りにくくなっているんです。

また ドアーや フード・フェンダーなどのような交換する可能性の高いパーツは 亜鉛鋼板は高額ですので 鋼板に亜鉛メッキを施した亜鉛メッキ鋼板を使用しているので 同じく腐りにくいわけですが あくまでも表面メッキですので 傷などがついた場合は メッキ層ではなく ただの鋼板が表面に出るため 錆びることになります。

しかし これらのパーツのほとんどは ボルト付けパーツですので 容易に交換可能ですので 心配ないようになっているんです。

また すべてのパーツが 亜鉛鋼板は錆びにくい代わりに 外部のものとの接着も し難い為 接着効果アップと錆び防止のため 新品の際に 表面に電着塗装を施している状態です この電着塗装というのは 新品パーツを購入すると ボディー色ではなく グレーや黒色に塗装されたパーツが来ると思いますが この塗装が電着塗装というもので 通常のようにスプレーで塗装するのではなく ドボ付け塗装でメッキのように電気で密着させている 簡単言えば 塗装メッキのようなものです。

新しい技術は素晴らしく 今は 昔のように 腐った車を見ることが無くなった訳です。

このような状況ですので オリジナルのトヨタ2000GTは ただの鋼板ですから 腐っていて当たり前ですし 特に 手作りですので 機械溶接とは違い 溶接も人間がやっていたはずですので 充分 鉄板が焼かれているでしょうし 通常以上に錆びやすいはずですよね。

でも 我々の車は 現在の良いものは採用して デメリットを回避したいものですし 今後も錆びてほしく無いので 新品の亜鉛鋼板をすべてに渡り使用させていただくと共に 防錆処理を最終で施し 錆などとは無縁のクルマを目指して行きたいと思います。

今回の作業で インナーパネルの鉄部分の改造は完了いたしましたので 次は インナーパネルにFRPを2層に積層して 龍妃用のFRPインナーパネルを製作 今回は試作ですので 今後のマスターとなりますから FRP積層の表面をパテなどで綺麗に仕上げたあと このドアーから メス型を製作させていただき これからのドアー製作の際は メス型に FRPを二層に積層して FRPインナーパネルを製作した後に メス型に貼ったままの状態で アウターパネル及び余分なインナーパネルを切断し センター部分を凹ませる為の切断を行った オリジナルのインナーパネルをドアーヒンジ及びドアーロック装着部分でメス型にネジ固定することで 確実な ずれの無い場所へ装着させていただき FRPインナーと鉄板のインナーを一体化させていただき 乾燥後 型から外した後に ボディーに装着し 今回同様 サッシをボディーとのクリアランスを確認しながら インナーパネルに一台づつ丁寧に装着させていただきたいと思っております。

このサッシの装着は 個々で多少 誤差が出るため この方法で個々に 慎重に行うことで ウェザーストリップとの安定した干渉を確保し 雨漏れは もちろん 風切り音などの防止を図る事にいたしました。

サッシが装着できたら アウターパネル(FRP製)を フェンダーパネル及び クォーターパネル・ロッカーパネルとのチリ(クリアランス)を一定になるように確保できる箇所で 仮固定して とりあえずインナーパネルとアウターパネルを接着 乾燥後 再度 ドアーをボディーから外し インナーとアウターの接合部(ドアーの端の部分)をインナーからしっかりとFRP積層で一体化することで 度重なる開閉でも 割れの来ないドアーを製作することになります。

もちろん ドアー下部には 雨水などが抜けるための穴も開けるのを忘れずに・・・・

今週は 同時進行で サッシの周りの改造 フロントピラー・ルーフサイド部分は もちろんクォーターサイドガラス及びBピラーの製作に入らせていただくことになりますので 今後も 大きな変化が起こりますので ご期待いただければ幸いです。

本日までのドアーインナーパネル製作動画です

是非 ご覧いただければ幸いです。

http://www.youtube.com/watch?v=f2hHtto_6aY


追伸

先日 知人の鈑金塗装業を営んでみえる方から とても 貴重なものを頂く事ができました。

それは 3枚目の写真をご覧ください!

なんと トヨタ2000GTを設計された 野崎様の実際に使用されていた筆です!

なんでも この筆を下さった方は もともと トヨタにお勤めだったらしく 野崎様と懇意にされており 野崎様が計画されたクルマの改造などを公認取得したりしてみえたそうで 野崎様が現役を退かれた際 豊田から神奈川に引っ越されたそうで その時に 使用されていた筆などを 野崎様からプレゼントされたそうでして 先日 工場にお伺いした際に 突然 「残り一本になってしまったけど 君が持っていたほうが良いと思うから 是非 大切にしてください」と言って プレゼントしていただけました。

とても 貴重なものですし ビックリすると共に 私なんかが頂いて良いものか? と思いましたが せっかくのお気持ちですので ありがたく いただいてまいりました。

本当は トヨタ博物館様で展示されたほうが良い様な気もしますが・・・・

今は 当社展示場にて ガラスケースの中で 展示させていただいておりますので ご来店の際は 是非 ご覧いただければと思います。