ROADSTER GARAGE ロードスターガレージ

ミウラ・イオタ・2000GT スーパーカーレプリカのロードスターガレージ

製作ブログ

蘇る夢の軌跡

龍妃ファイネル ボディー改良作業報告 No.7

今週は 2号車 渡辺さまの車両を使用してオーバーフェンダーの原型を製作させていただいております。

私の説明が悪かったのか 先日のお電話で 渡辺さんから オーバーフェンダーの製作方法ってどうなるの?って質問されましたので ここで 再度 ご説明させていただきたいと思います。

一台のみ製作する場合ならば ウレタン発砲で整形し その上にパテ整形を施し 最終強化のためFRP積層して一体化し 表面をパテで整えれば 完成ですので そのまま完成になりますが この場合 中にウレタン発砲が残った形になってしまいます。

別に 残っていても問題はございませんが 余分な重量アップにもなりますし ウレタン発砲は 科学的に発泡させた商品の為 正直 温度などに影響され 縮小したり 逆に更に発泡したりする事が考えられます そのような事が起きた場合 表面が その縮小や拡大の影響で変形してくる事があるため やはり 中に発砲ウレタンを残したくないわけです。

今回は それを考慮して 試作品を製作し その試作品からメス型を作成 メス型から製品を製作したものをボディーに装着して完成させることにいたしました。

その方法として ボディーに一旦 発泡ウレタンを貼り付け 大体の形状に削り込みとサンディングで作りこみ そのうえで 強度があり肉盛りが可能なFRPパテを使用して 一回目の基本肉盛り 2回目の最終形状作成を行います。

しかし  FRPパテは 肉盛りは可能で硬いのは良いのですが 巣穴(空気の穴)が表面に どうしても残ったままになりますので この巣穴を埋める意味と 細かい表面の凹凸を修正する意味で ポリパテを一回または2回塗り 最終的な形に仕上げ それでも まだペーパーキズや巣穴が少々残りますので サフェーサ塗料を塗装して完全な ツルツルな表面を完成させることにいたしました。

しかし これは あくまでも試作品ですので この上に型用ゲルコートを塗装し メス型になるようにFRP積層を施し メス型を完成させる方法です

メス型乾燥後 ボディーから型を外しますが 当然 発泡ウレタンで作成したオーバーフェンダーは このときに破損してしまう為 試作の発泡ウレタン製オーバーフェンダーは もう必要ありませんから 綺麗にボディーから撤去してしまうわけです。

その後 メス型を使用して 正式なオーバーフェンダーをFRP積層で製作 完成したFRP製のオーバーフェンダーを2号車・3号車にFRPを接着剤として使用してボディーに接着 最終的に接着面をパテ整形で整え 完成とさせれば 綺麗な 今後 変形の心配の無いオーバーフェンダーの完成となります。

同時進行で こちらは ノーマルボディー用のフロントフェイスですが フェイスアップを図る事にいたしました。

龍妃製作の際 フロントマスクは 基本的に その前に作成したroadster AKI-Coupeのフェイスを前期型に変更し ユーノスボディーに装着したのですが ボディーマッティングに気をとられ 当社のミスなんですが フロントフェイスが少々下向きに装着してしまいました。

凄く気になっている箇所でして グリルトップで約3cmアップしたいと思っておりましたので 今回は 絶対改良を要す箇所です。

また カヤバ様と共に 改良を続けておりましたサスペンションも 無事 最終バージョンが決定し 制作していただいている状況ですが この最終バージョンで決定したことは やはり気になっておりました フロントタイヤハウスとタイヤの間が少々広すぎる点でして これを回避するため 本来は タイヤハウスのトップで 2cm間隔を狭くしたいと思いましたが カヤバ様の最終サスペンションで 計算上 同性能で可能なダウン数として フロントを1cmが限界と言うお話でしたので カヤバ様に 無理をお願いし 1cm下がるサスペンションを作成していただき 残る1cmは ボディーで調整したいと思いますので まずは 現在のフロンフェイスのタイヤアーチの形状変更を行ないました。

その方法は製品と同じ厚さのFRPの板を製作し 現在のボディーのタイヤハウスのトップ部分に1cmのカイモノを挟む形で タイヤハウスにFRP板をタイヤアーチが綺麗になるように固定 その後 完全固定の為 FRP積層でボディーと一体化させております。

この作業と 今回のカヤバ様最終サスペンションで タイヤハウスの隙間は2cm狭くなる事になります。

また 先ほど お話させていただいた フェイスアップを施行しております。

簡単にフェイスアップは出来ませんので 思い切ってフロントマスクを切断 グリルトップで左右共に同じ高さで3cmアップする位置を固定し 切断箇所のフェイスアップで開いた隙間を埋めて固定する為 切断面をV字に削り まずは表面をFRP積層して固定しております。

なぜ V字カットするかと言いますと ただ カット表面にFRP積層しても切断面の開いた隙間にFRP樹脂は入りますが FRP繊維は入らないので 強度が得られませんが V字カットすれば 隙間が部分的に広がり カット面も斜めになるため 充分にFRP繊維が付く事になり強度確保が出来るからです。

もちろん 表面が乾燥したら 裏面は 更にしっかりとFRP積層を施し 完全補強してやる事になります。

この作業により 仕上がりは 格段に良くなっているはずです。

本日までの作業内容を動画でアップさせていただきましたので 是非 ご覧ください

 http://youtu.be/NuM2wrILgBA